(vol.4 (前編)宇陀市観光協会 関根 進太郎氏「自身の龍神体験をきっかけに、ツアーを企画」から続く)
e-bikeで自転車観光のイメージを変える
HaNeRi:今回のツアーは里山マウンテンバイクツーリズムさんにもご協力いただきながら進めていらっしゃるのですよね。里山マウンテンバイクツーリズムさんとのパートナーシップはどのようなきっかけだったのですか。
関根:宇陀市内の宿泊業者さん(やたきや ※2)からe-bike体験をお客様に提供したいと相談されたのですが、その「やたきや」のオーナーの田中さんが「面白い人に会った」と言って紹介してくれたのが、里山マウンテンバイクツーリズムの佐藤さんでした。その後、立山で佐藤さんのガイドツアーに研修で参加させていただいたり、佐藤さんに宇陀市にお越しいただいて一緒にe-bikeで走って、宇陀市ではどんなツアーが企画できるかを検討しました。
e-bikeを体験するまでは山を自転車で観光することにはつらそうなイメージがありましたが、そのイメージが変わりました。「e-bikeを使えば、宇陀市でも自転車での観光を楽しめる!」と気づきました。今回自分が気づかせてもらったように、e-bikeを活用しながら自転車観光のイメージを変えていきたいです。
佐藤さんも宇陀のコンテンツに可能性を感じてくださっていて、ノウハウをご共有いただくなど、協力していただいています。
HaNeRi:2023年のe-bike導入はどのようなきっかけ・背景で実現したのでしょうか。
関根:企業版ふるさと納税でe-bikeを活用した事業をやって欲しいということで導入されました。
※2 うだ 薬湯の宿「やたきや」は築300年の木造平屋建て古民家をリノベーションした旅館です。敷地内の農園で栽培した薬草を使った薬湯の風呂や、オーガニックの野菜を使った食事が堪能できます。
やたきやさんには今回インタビューの場所をご提供いただきました。
スピリチュアル好きや龍神ファンが楽しめる場所にする
HaNeRi:サイクリングツアーの企画や実施にあたって苦労された点はありますか。
関根:スピリチュアルや高次元と言うと、怖がられたり怪しまれることがありました。龍は神話に登場する伝説の生き物ですが、私自身は龍は身近に存在すると思っています。こんな話をするとまた変人・奇人に見られるんですが、気にはしません。反対する人がいるということは、賛成する人も必ずいますから。ぜひ龍神を信じている人にツアーに参加していただきたいですね。
HaNeRi:ターゲットはスピリチュアルや龍神が好きという方になるのでしょうか。
関根:そうですね。もちろん、興味がない方も歓迎ですが、龍神について詳しい方と情報交換をしながら、自身ももっと学んで、サービスに活かせると嬉しいです。
スピリチュアルは理解されない部分もあり、普段気軽に語る機会がない場合もあると思います。数分でもいいので、ゆっくりお茶を飲みながら本音でスピリチュアルの話ができるといいなと思います。
HaNeRi:日本では八百万の神を信仰していたり、自然に神が宿るという感覚を身につけている方もいます。海外ではそういった感覚や考えはあまりないと思うので、せっかく日本を観光するなら神様を感じる体験をしてもらうのもいいですよね。
関根:はい、ぜひ海外の方にも来ていただきたいです。笑顔と気合いでおもてなしします!
「龍神波動ライド」には滝行を体験するコースもあり、川の音を聞いて、冷たい風を浴びると、本当にすっきりします。日ごろ悩みがあり、エネルギーの開放や吸収を必要としている方にも来てほしいです。
周辺地域との連携
HaNeRi:これからやりたいことはありますか。
関根:任期中は町おこしに力を入れていきたいです。龍神コンテンツが大きくなりはじめているので、もっと膨らませて龍神ファンで集まる機会を作るのもいいなと思っています。例えば、キャンプをしながら龍神への想いや経験を語るイベントだったり、スピリチュアルアーティストに来ていただいたりとか。
あとは、自治体同士の連携も大事ですね。自身は奈良県宇陀市観光協会所属・地域おこし協力隊所属という立場ですが、観光客からするとコンテンツを提供している場所がどの市に属するかということはほとんど気にされないと思うんです。
宇陀市には龍神という自信を持っておすすめできるコンテンツがありますが、それだけでは成り立たない部分もあります。近隣のエリアにも目を向けて、東吉野での水遊び、名張市・青蓮寺湖でのカヤック、室生周辺での文化体験、宿泊・龍神体験などを組み合わせた提案も必要だと思っています。複数の自治体で、それぞれの魅力を打ち出して連携していくつもりです。
交通の面では、観光客が公共交通機関と自転車をスムーズに利用できる環境にできると最強です。もっとサイクルツーリズムが盛り上がると思います。
集客やPRの課題
HaNeRi:課題はありますか。
関根:集客の重要さと難しさを感じています。
佐藤:自分はメディアの方にPRをこまめにしています。「PR費は出せないですが、ありのままをとことん伝えます。必要があれば他の関係者に電話説明などもしますので、それでよければお願いします!」という姿勢で連絡します。そうしていると、メディアの方がネタに困ったときに取材していただけることがあります。
里山マウンテンバイクツーリズムでは挑戦の過程を伝える手段としてクラウドファンディングも活用していて、活動の認知も上がったので有効だったと感じています。
HaNeRi:そのような動きをされていることもあり、佐藤さんのメディア露出は増えていて、効果が出ていますよね。
佐藤:奈良県には有名な大仏もありますし、今年(取材当時の2024年)は辰年なのでタイミングとして龍神との相性もよいです。そういった他のコンテンツと絡めるのも面白いですし、目を引くのではと思います。
関根:辰年というのは12年に一度なので、2024年が辰年という点はうまく生かしたいですね。
あと課題は他にもあって、ガイドが足りていません。「この内容でツアーを実施したらお客様に喜んでいただけそう」というのは誰でも考えられるんです。ただ、「じゃあ誰がガイドをするのか?」というときに、だれも居ないんです。実行する人が必要です。
HaNeRi:佐藤さんにインタビューさせていただいた際も、後進のツアーガイドが育たないというお話を伺いました。そのときは、実際に佐藤さんが実施されているツアーのノウハウを凝縮したスマホアプリコンテンツを用意して、佐藤さんがいなくても近しい体験をしていただけるような試みを実施しました。地域によっては、そういった活動に補助金を出してバックアップしてくれるところもありますね。
関根:現状はそういった補助金で成り立っているツアーや活動が多いと思います。いずれは、自転車メーカーやツアー企業などのパートナーと協力しながら、自立して運営できるようにしたいです。
最後に
HaNeRi:最後に、関根さんのようにサイクルツーリズムを推進したい・地域を盛り上げたいと考えている方へメッセージをお願いします。
関根:私も自転車でツアーをやろうと思ってから(取材をした2024年1月時点で)半年が経ちますが、サイクルツーリズムには新たな可能性があると感じています。
自分たちだけで観光地をまわるよりも、ガイドの説明や案内を聞いて、特別な体験をしたいという方が増えている印象です。実は目的地に行くまでに湧き水や珍しい古い家屋があったり、お地蔵さんが見守ってくれていたり、野花が咲いていたりと、自転車での観光では車で走っただけでは味わえない楽しみが沢山あります。ガイドの重要な役目としてそういった魅力も伝えていきたいです。
貴重なお話をありがとうございました!
龍神様の存在を感じる体験をしたことがあるスピリチュアルサイクリストの関根さん。
そんな関根さんが企画・ガイドする「龍神波動ライド」は、日頃のモヤモヤを吐き出して、自然と対話しながらエネルギーをもらいたい方にぴったりです。
イー・フォースでも、2024年辰年に進化していく「龍神波動ライド」に注目していきます!